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記憶の浮かび方 - 医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン

医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』を読んだ。

この本に書かれているのは、サブタイトルの方。つまり、「認知特性から見た6つのパターン」。タイトルの『「頭のよさ」テスト』という字面から連想する一次元の尺度による数値化――古くは頭蓋計測から今でも蔓延る偏差値チェック――からは程遠い。

自分の認知特性を知りたくて読んでみて、それについてはスッキリした。けれど、それだけだった。各認知特性の説明を読んで記憶の浮かび方と照らし合わせれば、自分の認知特性は簡単に察しがつく。テストに答えるまでもない。

自分がほとんど使わない認知特性の方がよほど面白かった。それらの認知特性が強い人の情報の処理の仕方は、自分では体験できないから、こうして間接的に想像するしかない。

思い起こせば、色々な認知特性があることを知ったのが、この本を読むに至ったキッカケだった。そのあたりのタイムライン上での経緯を認知特性 (思考や記憶の浮かび方) について - Togetterまとめにまとめておく。自分のテストの結果もこちら。

この本を読み終えた今、認知特性のパターンと自分の認知特性を念頭に置いてもう一度眺めてみると、自分とは違う認知特性についてちょっとだけ具体的に想像できるようになっていて面白い。

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